2012-11/12特集*セブで働く/01.天利信勝さん
最近、セブの日本人在住者事情が急激に変化しています。
セブ領事館の調査によると、昨年から今年にかけてだけでも在留届を提出している人の人数が15%以上も増加。
語学学生の急増や、IT関係の日系企業の進出などにより、セブで働きたい人、日本人の求人を求める企業も急速に増えています。
そこで、今回は様々な業種でセブで働いている人をピックアップ。
「働く人」のインタビューをしてきました。
宣教師として、働く。
【名前】天利信勝さん、実香さんと娘の憩ちゃん セブ在住歴1年1ヶ月
【職業】 宣教師(バプテスト派)
【セブに来た経緯】日本の千葉県にあるバプテスト本部より派遣
【仕事内容】セブ、ミングラネリアにある教会および神学校にて宣教師(英語)として宗教と、日本語を教えている。妻実香さんはセブで出産、自身も日本語クラスを教えている
【今後のセブ滞在予定】 あと1年
Q、毎日のどのように生活されていますか?
平日は神学校にて午前中に聖書の授業(英語)をし、午後には日本語の授業を担当しています。
毎週日曜日は、朝教会へ行ってから、午前中にリタイアメントした日本人を中心に聖書のクラスを行っています。その後日曜礼拝に参加。月に1回のペースで自分も説教をしています。お昼を挟んで夕礼拝にも参加。
平日の帰宅後は、聖書を読んだり、育児や家事をしたり日本へのレポートを書いたりしています。
Q、教会と学校について教えてください
教会は「Missionary Baptist Church」と言って、神学校も併設しています。この学校は日本の我孫子バプテスト教会がスポンサーとなって建設、また運営されています。またその建設には、父親である天利信司が関わっていたので、親子2代でこの教会に携わることになりました。
また通常、日本やアメリカからの寄付等をフィリピン中のバプテストの教会に配ったり、ラジオ放送や公園でのビラ配りなどを通じて、宣教活動もしています。また、ルソン地区、ビサヤ地区、ミンダナオ地区で行われる年に一度の青年たちのキャンプでは、毎年4~500人ほど集まり賑わいます。
Q、学生たちの現状
日神学校の生徒たちは、圧倒的に貧しいことが多く、教科書がないどころか、コピー代さえも払えず、また授業料も払えない学生が多くいます。それでも毎日笑いが満ちていて、色々な問題を抱えていても、信仰と楽観的な性格によってポジティブなところは日本とは全然違う部分です。
また、個人的には、宣教師になる前は、韓国で日本語教師をしていたので、また日本語が教えることが出来てとても楽しいです。午後は妻も日本語の初級クラスを教えています。
Q、セブに来て嬉しかったことは?
滞在も1年が過ぎ、色々な人に出会えていることです。中でも、家も事業も火事で燃えたなど大変苦労している日本人の方と出会い、彼が教会に来てくれて、聖書を学び、ついには洗礼を受けられたこと。これは本当に嬉しかったです!苦しい状況に有る方と出会って、私自身も逆に多くのことを教えられています。
同じフィリピン人でも圧倒的な貧しさを抱える人と、想像もできないお金持ちがいます。その葛藤の中、自分には何が出来るのか、常に考えさせられる環境にいます。日本にいたら肌で感じることができなかった現実を体験するなど学ぶことが多く有ります。
その中で私が出した一つの答えは、フィリピン人の雇用を増やすこと。どんな業種でもセブで仕事をされ、雇用を生むことが貢献することだと言えると思います。
セブポット2012、11-12月号 / 8ページ掲載