日本でペット・人間のパートナーとして人気の犬や猫は、もちろんセブ島でも大人気。
今回はセブ島で暮らす動物たちを取り巻く環境や問題に、動物愛護団体「IRO」の活動を通じてセブで暮らす動物たちの実状にセブポット編集部が迫ります。
私たちが街中でよく見かける犬や猫。
彼らの身に起こっている現実と、セブ島で活動する動物愛護団体のことを知ってみませんか?
また、後述でセブ島の動物病院やペットホテルなどの動物に関連したお店の紹介もしていきます。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
IROについて
IRO(Island Rescue Organization)は2010年2月にセブ島で初めて個人のボランティアグループから結成された非営利の動物救済を目的としたボランティア団体です。
また、IROはビサヤ(セブ島の言葉)で「犬」という意味も持ちます。
IROは「救護」「教育」「主張」の三つを大きな柱とし、事故や虐待を受けた動物たちの救済活動はもちろん、ペットを飼っている人たちへの正しい教育(避妊、予防注射など)、動物保護施設の提供、また家族を求める動物と新しい家族(飼い主)との引合せなどをおこなっています。
IROの運営する保護施設には、人間の理不尽で傷つけられた多くの動物が暮らしています。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
救済活動 – RESCUE –
セブ島では1日平均100匹以上の動物(主に犬、猫)が虐待、あるいは交通事故で命を落としています。
特に最も多い死因は交通事故のひき逃げで、交通量の多いセブ島では毎日のように犬や猫が車にひかれ、彼らの小さな命はあっけなく散ってしまいます。
また、動物虐待の問題も多く、暴力はもちろんネグレクト(ペットの飼育放棄)も大きな問題の一つです。
避妊手術を施さなかった結果の無計画な出産で、飼い主による子犬、子猫の遺棄も頻繁にあります。
実際の救助活動の様子
こういった不運な動物たちの通報を受け、IROは動物救済活動を常におこなっています。
(事故や遺棄、虐待を受けた動物の通報は、IROのFacebookページより可能です。)
また、タランバンの山奥に保護施設を設け、傷ついた動物たちへのケアと、安心して暮らせる環境を与えています。
保護施設で出会った、飼い主による虐待で沸騰した油をかけられ背中の皮膚がただれてしまった犬。
虐待を受けたと思えないほど今では人懐こい。
保護施設の犬たち
猫用のシェルターもある
また、虐待を行った人物を特定・通報し、然るべき処置を求め、被害となる動物を一匹でも減らそうとしています。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
教育 – EDUCATION –
▶︎シェルターキャンプ
毎週土曜日には先ほど紹介したIROの動物保護施設(シェルター)でのキャンプを開催。
動物たちと触れ合い、動物の扱い方や世話の方法などを体験を通してリアルに学ぶことができます。
日本人でも気軽に参加可能です。(要事前予約)
▶︎セミナー講習
ショッピングモール・パークモールで狂犬病などについての正しい知識を身につけるためのセミナーをおこない、愛犬・愛猫への予防接種もしてもらうことが可能です。
毎回多くの人がペットを連れて参加しています。
▶︎ボランティア活動
ボランティアでは救済活動やイベントの手伝いなどを通じてさらに詳しい動物への知識、愛情が身につきます。
実際に多くのボランティアスタッフは、ボランティア活動を始めてから自身が動物たちの里親になったりするケースがとても多いとか。
▶︎無料避妊手術
セミナー講習同様、主にパークモールで不定期で無料避妊手術が受けられるイベントを開催しています。
無計画な妊娠による、子猫や子犬の遺棄などのトラブルを未然に防ぎます。
上記キャンプへの参加予約、セミナー、予防接種、避妊手術の詳しい日程はIROのFacebookより確認、問い合わせ可能です。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
新しい家族 – ADOPTION –
月に2回、第二、第四土曜日にはショピングモールのパークモールでアダプション・デー(里子・里親引合せ会)が開催されます。
この日は救済活動などにより保護された動物たちが、新しい家族と出会うための場所となります。
近年はセブ島でもSNSを利用した生体販売(純血種)が盛んになりつつあります。
しかし、ボランティア団体と行政の協力により、様々な理由で保護・救助された犬や猫を家族に迎え入れてもらう里親制度は、新しく家族を迎える選択肢としてスタンダードな形となりつつあります。
日本ではペットを「買う」ことが当たり前ですが、先進国の多くでは命をビジネスにすることをモラルの低下とし、既に生体の販売を中止している事実を知らなければいけません。
セブポット編集部が取材に行ったこの日も、会場では多くの人々が動物の温もりに触れ、家族となって帰っていく姿が見られました。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
動物たちの幸せのためにセブ島で活動を続ける人々
玉村 誓真(ちかまさ)くん / 12歳
セブ島に住む誓真くん(写真右下)はIROのボランティア活動に自らたっての希望で参加しています。
IROでは保護者が同伴の場合、子どものボランティア活動も可能なので、セブ島で子ども達がボランティアに参加できる絶好の機会となります。
また、お母さんの加寿子さん(写真中央)自身も30年以上救助活動をしており、IROでは誓真くんのボランティアをサポートする形で、保護者として参加されています。
President. Annalyn(IRO代表・アナリンさん)
セブ島の動物を取り巻く環境の改善を目指し、IROを立ち上げた代表のAnnalynさん。
自らも救出活動やイベントに参加し、事故や虐待にあった動物たちを自ら保護し、自宅でケアもしています。
また、「Chaka Feline Boarding and Pet Transpo」という猫に特化したペット用品店を運営されています。 (詳細は後述)
また、セブ島にはIROの他にも
MARO – Mayari Animal Rescue Organization, Inc.
などの動物愛護団体があり、これらの団体もIROと同じように1匹でも多くの動物を助け、幸せな生活が送れるように活動しています。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
より豊かなペットとの生活のために
あなたの大切なペットとの生活をより豊かにしてくれるお店をご紹介!
日本人でもアクセスしやすい場所を中心に紹介します。
▶︎Park Mall(パークモール)
パークモールは、動物病院、ペット用品、トリミング、ホテルなどほぼすべての施設が併設されているとても便利な場所!
IROのアダプション・デーやセミナー、避妊手術などもすべてパークモールで行われています。
ANIMAL WELLNESS(アニマルウェルネス)
セブ島でも多くの店舗数を誇る、大手動物病院。
Diva Dog(ディバ・ドッグ)
トリミング&ペットホテルとしての利用も可能です。
The Pet Store Company(ザ・ペットストア・カンパニー)
ペット用品を中心に扱っているペットショップ。
SASSY PETS(サシー・ペッツ)
ドッグウェアと中心とした犬猫用品店。
Park Mall
10:00-21:00
032-344-7817
Ouano Avenue, Mandaue Reclamation Area, Mandaue City
▶︎CEBU VETERINARY DOCTORS(セブ・ベタリナリードクターズ)
小型のショッピングセンター・BTCの二階にある動物病院。
トリミングやペットホテルとしての預かりサービスまで幅広く対応。
CEBU VETERINARY DOCTORS
10:00-20:00
032-349-3354
Banilad Town Centre 2F
▶︎The Dog Spa & Hotel(ザ・ドッグスパ&ホテル)
ペットのトリミング&ホテルのサービスを中心としたお店。
The Dog Spa & Hotel
10:00-20:00
0917-142-2355
Mahogany Place,Pope John Paul II Ave, Cebu City
▶︎Shambala VETERINARY CLINIC(シャンバラ・ベタリナリークリニック)
セブ島で希少な24時間運営の動物病院。
経験豊富な女性の獣医さんが対応してくれます。
Shambala VETERINARY CLINIC
24時間営業
032-319-0412
523-C Hernan Cortes St, Mandaue City
▶︎Puffy Paws Heaven(パフィ・パウズ・ヘブン)
ショッピングモールのJセンターモール内にあるトリミング&ホテル。
Puffy Paws Heaven
10:00-21:00
032-349-2611
Jcentre Mall, A. S. Fortuna St, Mandaue City
▶︎Chaka Feline Boarding and Pet Transpo(チャカ)
先ほど紹介したIRO代表のアナリンさんが運営している、猫に特化したペット用品店。
Chaka Feline Boarding and Pet Transpo
0998-790-0159
※現在移転中につき、チャカの商品はIROのイベント会場で購入することが可能です。
セブ島で生きる動物・動物愛護団体の実状に迫る!
私たちに今できることは?
まずは事実を「知る」ことから始めてみましょう。
悲しいことに、IROやその他の動物愛護団体のFacebookページには毎日のように事故や虐待にあった動物の情報が投稿されています。
私たちに今できることは、まずこの事実を知ることではないでしょうか。
そして、小額でも非営利団体の彼らへのドネーション(募金)は大きな助けになります。
ドッグフードやキャットフードの物資支援も随時募集しています。
(募金はIROのFacebookページで告知されている口座への振り込み、またはパークモール開催されるアダプション・デーやセミナーイベントでも随時募金、ボランティア、会員登録の受付を行っています。)
また、里親になることが不可能でもフォスター(一時的な育ての親)として、動物たちが新しい家族へ譲渡できる状態になるまでの一定期間の面倒を見るという方法もあります。
動物は人間のように痛みや苦しみを訴えることができません。
だからこそ私たち人間が耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。
今回紹介したIROを始め、現在セブ島では多くの人々が動物の愛護に努め、幸せに暮らしている動物たちも多くいます。
すべての動物たちの幸せな未来のために、まずは今の動物たちの現実を知り、自分たちにできることから始めてみませんか?
地球上に生まれた命は、人間も動物も同じ価値があり、共に幸せになる権利があるはずです。