新型コロナウィルスに感染したら実際どうなるの?
なかなか身近な人に体験談が聞けないからこそどのような状況になるのか、分からないのが現状ですよね。
今回は実際にセブで新型コロナウイルスに感染し、療養した方4名に初期症状や病院の対応、自宅療養の様子など感染当時の様子をインタビューさせていただきました。
INDEX
・20代 / 日本人女性 ・70代 / 日本人女性 ・50代 / 日本人男性 ・40代 / フィリピン人女性 |
コロナ体験談① 20代 / 日本人女性
味覚・嗅覚に異変を感じ、病院へ
15日間、隔離病棟で入院
ー37.8℃ほどの微熱、味覚や嗅覚に異変を感じたー
最初は熱が37.8℃ほど出て、身体も少ししんどいなと感じていました。
熱が出てから5時間ほど経ったころ、ご飯を食べようとした時に食べ物のニオイや味を感じないことに気が付いたんです。
ー緊急外来で病院へ。15日間、隔離病棟で入院することにー
その日のうちに、緊急外来で病院に向かい、Swabテスト検査を受けることに。
検査結果が出るのが24時間以内とのことで自宅で待機して、検査結果を待つか、このまま入院するかの選択肢を迫られました。
ただし、自宅待機の場合は一人暮らし、もしくは同居人と別で過ごせる部屋があることが条件でした。私は、そのまま入院することを選択。
翌日、陽性の検査結果が出たため、15日間の隔離が決定しました。
陽性反応が出た場合、自分が住むバランガイ(フィリピン最小の地方自治単位)に伝わり、バランガイの職員から同居人や会社の同僚、直近1週間以内に会った人の連絡先を聞かれます。
濃厚接触者は、5日間の自宅隔離となります。
また、バランガイの職員が自分の住んでいる部屋を全消毒し、「KEEP OUT(立ち入り禁止)」のテープが自宅のドアの前に貼られましたね。
ー味覚・嗅覚症状は入院中・退院後も続きましたー
入院したお部屋はシャワー・トイレ付きの1人部屋でした。テレビやソファもありましたよ。
1日に熱や脈を測るためにお医者さんや看護師さんが3〜4回ほど部屋に訪れます。
入院している15日間、ずっと点滴を打ちっぱなしだったのがつらかったですね。
手の甲に刺さったままなので痛いですし、トイレやシャワーの時も困りました。
症状としては、私の場合は軽度だったため、息苦しさもなく、熱も最初だけでした。
ただ味覚・嗅覚症状は入院中、そして退院した後も少し続きましたね。
完全に味覚や嗅覚が戻ったのは退院して1週間経ったあとくらいでした。
15日間入院した後、最後にもう一度検査を受け、陰性になったため、退院が決まりました。
ー入院代は約37万ペソ。私の場合は日本の海外保険で賄えましたー
入院代などの支払いはジャパニーズヘルプデスクの日本人スタッフさんがサポートしてくれました。
会社で入っている日本の海外旅行保険が適用されたため、自己負担は0円で済みました。
実際は約37万ペソ(約80万円)ほどかかっています。
私の場合は軽度の症状でしたので、入院ではなく自宅隔離を選べばよかったと思いますね。
誰もお見舞いに来れない、入院生活はなかなか孤独でしたので自宅隔離で誰にも会えないとしても住み慣れた家の方がもう少し気が紛れたはずです。
コロナ体験談② 70代 / 日本人女性
苦みを感じる味覚異常
12日間の入院で約120万円
ー食欲がなく、倦怠感も。味覚異常が4日続き病院へー
食欲がなく、倦怠感が最初ありました。
また、味覚は苦みをかなり感じました。
ただし、熱や微熱はなく、臭覚異常もなかったですね。味覚異常が4日ほど続いたので、病院へ行きました。
ー検査を受け、即入院。病院代は約120万円ー
検温、レントゲン、PCR検査などをし、その場で即入院となりました。
私の場合は、付き添いをつけましたので、個室を使用しました。
症状は、ひどくはなく中度だったと思います。
12日間の入院中、ほぼ毎日レントゲン、点滴、薬代、酸素マスク費用、ドクターフィーが請求額としてかかっていました。
退院時の請求額は、病院だけで日本円で約120万円でした。退院後も、お世話になった医療関係の方にお礼をしております。
ー予防は初心を忘れずにー
コロナ感染防止のための初心を忘れないようにと、皆さんにお伝えしたいです。
例えば、手洗い、マスクやフェイスシールドの着用、人ごみを避ける、外から帰ったら着替えをするなどですね。
現在(2021年7月現在)、ワクチンの予約待ちです。
コロナ体験談③ 50代 / 日本人男性
自宅療養を選択
今でも続くコロナ感染症の後遺症
ーこれまでに経験したことのない倦怠感ー
倦怠感と高熱が出た時、自身でコロナ感染を疑いました。
特に倦怠感はこれまでに経験したことがない、だるさに見舞われました。椅子に座っていてもしんどいくらいです。
ちょうどこの頃、セブの医療状況を考えた時、入院はしたくないと思い、自宅療養を選びました。
初日は、倦怠感、咳は少しありましたが、熱はなかったです。
2日目に入ると微熱と咳が始まりました。
3日目には、高熱と咳、そして大量の汗が出ました。
この汗の量も尋常でないくらいの量でしたね。
喉も痛く食事が喉を通らないほど・・・。流動食と水分を摂るように努めました。
食べないと死ぬかと思ったくらいですよ。3日目が一番ひどい症状だったと思います。
4〜5日目になると、息苦しさの症状も出始め、この日酸素吸入器を購入しました。
肺が正常でないように思え、酸素飽和度を測ったら92-93%でしたね(正常値は96%以上)。
90%を切ったら病院に行く覚悟をしました。 ただし、この時点でも味覚、臭覚に異常なかったです。
6日目に入ると少し息苦しさが緩和されて、熱も下がってきました。
ー3週間後に抗体検査を受け、陽性ー
自宅療養を選んで、症状もおさまった3週間後に、PCR検査と抗体検査を受けに行きました。
思った通り、PCR検査は陰性、抗体検査は陽性。コロナにかかっていたことを確認しました。
ー薬代と酸素吸入器の購入費だけー
自宅療養だったので、薬代と酸素吸入器の購入代、その他タオルなどが実際にかかった費用です。
ー今でも後遺症が続いているー
1週間で9Kgも痩せました。また体力も、以前と比べ30%ほど落ちました。
体力の減退は後遺症と思いますし、これは今でも続いています。
ロックダウン中の2020年4月に、肺炎とインフルエンザの予防接種をしていました。
今考えるとこの接種が、重症にならなかったのかもしれないと思ってます。
感染する前は、手洗い、うがい、外出先から帰宅後はすぐ着替えも行っていましたが、どこで感染したか今でも分かりません。
【コロナウイルス感染症の悪化を防ぐ!?】ジャパニーズヘルプデスクのインフルエンザ・肺炎球菌の予防接種サービスについて
コロナ体験談④ 40代 / フィリピン人女性
コロナ禍で大きく生活が変わったが
今日まで生きてこれたことに感謝
ー最初はデング熱かと思いましたー
38.5~39.5の高熱が主に朝と夜に出ました。これが3日間続きましたね。
時には気分が良くなり、仕事に行かなければなりませんでしたが、それでも非常に疲れ、夜になると再び熱が出るような事が起きました。
また、体が冷えるような寒さを感じるようになり、体の痛みもありました。
デング熱を疑いましたが、それとはちょっと違う体の痛みでしたね。でも病院に行ってコロナ感染陽性になるのが怖くて行きたくありませんでした。
ー病院で検査、結果は陽性ー
PCR検査を受けて、コロナ感染陽性を知りました。その後1週間入院しました。
入院中は、レムジビル薬を5日間に渡り投与されました。
入院費用は、7日間で263,000ペソ請求されました。
そのうち、PHILHEALTH保険とフィラムライフ保険でカバーされ、実際の支払い金額は9万3千ペソでした。
ーコロナは新しいライフスタイルをもたらせたー
コロナ感染症のパンデミックは、あらゆる人々に、誰もが準備していなかった新しいライフスタイルをもたらしたと思います。
子供も大人も、ソーシャルディスタンスを守り、常にフェイスマスクを着用しなければならないという新しいスタイルを守らなければなりません。
私たちの生活が大きく変化してから1年以上がたちますが、私は、今日まで生き延びてこられたことに感謝しています。
コロナに感染すると一口に言っても、病院隔離か、自宅療養でかなり状況が変わってくるようです。
ご自身や大切な人たちのためにも、感染を予防するための行動をこころがけていきたいですね。
※こちらのインタビューは2021年7月に行いました。医療関連の情報は変更される場合がございます。