セブと言えば、語学留学にきれいな青い海にビーチリゾートのイメージ。
しかし、ビーチリゾートなどはセブ島のほんの一部。
フィリピンの人口は約1億人で、その内の約25%が貧困層と言われています。
街に出ると、多くのストリートチルドレンを見かけることがあります。
「オミヤゲー!100ペソ!」
と上手に日本語を使い、街中で観光客にお土産のキーホルダーなどを子ども達が売り歩いています。
この子ども達は、いわゆるストリートチルドレンと呼ばれる子ども達です。
ストリートチルドレンは、物乞いをしたり、盗みをしたりなどと悪いイメージを持ってる方が多いと思います。
しかし、このようにモノを売っている子ども達は犯罪行為は行いません。
社会のルールを守り、その日家族が食べるためのお金を稼いでいるのです。
1個20ペソのキーホルダー、仕入れ価格が10ペソ。
(1日の平均売り上げは約300~500ペソ)
1個売ると10ペソの利益で、ご飯が少し食べられるくらいの収入になります。
このようなモノ売りの子ども達が学校へ行けるよう奨学金制度など教育支援を行なっている、”グローリアセブ”という団体があります。
グローリアセブとは?
セブに拠点を置き、ゴミ山やスラムに住む子どもたち、ストリートチルドレンの教育と食育にかかわる支援を行っているフィリピンの行政から公認された日本のNGOボランティア団体です。
(公式webサイトより)
貧困問題を学ぶため、実際に子ども達と交流したり、貧困地域に足を運んでみよう!
ということで早速グローリアセブの2つの活動に参加してきました。
青空教室
グローリアセブには、現在15名の奨学生がいます。
奨学生は
「親の定職の有無」
「兄妹が多い」
「親が子どもの通学を強く希望している」
「子ども本人の学業への意欲」
などの観点から選ばれます。
奨学生達は土曜日のモノ売りの合間に、青空教室で社会のルールや道徳などを学んでいます。
「ワタシノ ナマエハ ○○ デス。」
「ワタシハ ○○サイ デス。」
「○○ガッコウ ニ カヨッテイマス。」
「ワタシハ ○○ ニ ナリタイデス。」
と上手な日本語で1人ずつ自己紹介をしてくれます。
この日いた奨学生は11~14歳で、夢は警察官・先生・エンジニアなど・・
平日は夢を叶えるため学校へ通い、土日は街で寝泊りをしながら物を売ってお金を稼いでいます。
ボランティア参加者の日本人も同様に英語で自己紹介をします。
この日は、セブの語学学校へ通う大学生が参加していました。
グローリアセブの参加者の9割が海外ボランティアに初めて参加する方々。
グローリアセブは英語が出来なくても、日本人スタッフが必ず付いているので安心!
参加者も全員日本人なので、他の参加者とも仲良くなれる!
初めての海外ボランティアでも安心ですね♪
自己紹介が終わったあとは、子ども達がダンスを披露してくれます。
ニコニコと踊ってくれるので、こっちも一緒に踊りたくなります。
もちろん一緒に踊ってOK♪
この日は母の日の前日だったため、みんなでお母さんにメッセージカードを書きました。
子ども達は真剣に、大好きなお母さんへ日頃の感謝の気持ちを綴ります。
私たち参加者も英語で日本にいるお母さんへ感謝の気持ちを綴ります。
最後に子ども達にスナックを配り、記念写真。
ストリートチルドレンの子ども達と実際に交流してみると、普通の子ども達と変わらない純粋な子達でした。
この子ども達はモノ売りをして稼いでいますが、物乞いをしている子どもも沢山います。
中には、貧困ではないのにお金を貰えるから遊び感覚でしている子どもや、貰ったお金でドラッグを買ってしまう子どもがいます。
このような厳しい状況がセブでは日常となっているのです。
スモーキーマウンテンの視察
グローリアセブでは毎週、各貧困地域を回り子ども達へ食事や古着、学用品などを配給しています。
この日は、セブ某所のスモーキーマウンテン(ゴミ山)へ行きました。
月~金曜日にトラックが来て、大量のゴミを置いていきます。
そして、その中からお金になるものを回収し分別し、ジャンクショップに売りに行きお金にします。
彼らは、このゴミに囲まれて生活しています。
ゴミ拾い以外の職を持っている人はほんのごく僅かで、親もゴミ拾いをして、子供もゴミ拾いをして育つ。
それ以外の生きる術を知らないからです。
まずは、ゴミ山に住む人たちの現状を知るため、村の中を探索!
ゴミ拾いの収入は、1週間で0~1,000ペソほど。
一家族の食費は、1日300~400ペソ。
光熱費は、1ヶ月300~500ペソ。
1日1日が家族全員が生きていくためのギリギリのお金でやりくりをしているということです。
ゴミ山がどんな場所か知った後は、そのゴミ山で生まれ育った子ども達と交流します。
グローリアセブでは、現地の人と連携して活動を行なっています。
この日は地元の牧師さんと、このゴミ山に住む大学生の女の子が配給する食事の準備をしてくれました。
みんながむしゃらに食べ、それでも「お腹空いたー」とおかわりを求めます。
毎日必ず3食食べられるわけでもなく、食べられても満腹になれるほどは食べられない。
そんな毎日を過ごしているのです。
さらにこの日は、幼児に日本からの古着を配りました。
もちろん幼児だけではなく、前回は高校生くらいの子ども達に同様に日本からの古着を配ったそうです。
ゴミ山で暮らす子どもたちも、無邪気で人懐こく普通の子どもとなんら変わりません。
ですが、ゴミ山では多くの子どもが下痢が原因で亡くなっています。
ゴミの中から見つけたキャンディーやスナックをそのまま口にしてしまい、お腹を壊し、きれいな水も飲めず脱水症状になってしまうのです。
この厳しい貧困問題は今後どうなっていくのでしょうか?
グローリアセブ代表
斉藤和彦さんが考える今後の貧困問題とは?貧困問題というのは、5年10年などの数年では変わりません。
ですので、草の根運動のようにコツコツとやっていくことが大事です。
日本でも何十年も昔、お腹いっぱい食べれない子ども達がたくさんいました。
いきなり良くなるということはあり得ないですから、色んな団体が活動して少しずつプラスの方向に向かって行ければ良いと思います。
フィリピンの貧困支援に関わる行動は誰にでもできます。
では、貧困層の子ども達に私たちは何ができるでしょうか?
まずは、ボランティアに参加して自分の目で見て感じて知ること。だと思います。
セブにはビーチリゾートや語学留学で訪れるだけではなく、ボランティアという選択もあります。
1つの選択肢としてボランティアに興味を持たれた方は、ぜひグローリアセブのプログラムに参加してみてください。
初めて見るものから、たくさんのことを感じ、知ることができるはずです。
グローリアセブのボランティアプログラムの参加費は、