Ayala Center Cebu Business Park, Cebu City
Map p32B-2
営業時間:10:00-23:00
Tel:417-1350
前回に引き続き『ザ・テラス』のレストランですよ。いやね、前回のあれだけじゃ流石にちょっと気が引けるというかね、あれだけあるレストランの中でよりによって一番客の入ってないレストランを紹介したんじゃね?っていう忸怩たる思いがあるわけですよ。
あ、ちなみにこれ皆さん読めます? 『忸怩』と書いて『じくじ』と読むらしいですよ。政治家とか、経済界のお偉方が良く使ってますね?へ?意味?そんなの知るわけないじゃないですか。耳にしたことのある言葉をなんとなく使ってみてるだけですよ。大体ね、あなた私が何年海外に住んでると思ってるんですか?とっくにまともな日本語の感覚なんかどっかに置き去りですよ。この間日本から来たお客さんに無理やり敬語使おうとしたら渋谷あたりにいるギャルよりもこっぴどい意味不明な言葉遣いになっちゃって、挙句の果てに 「日本語お上手ですね」とか言われて、すでに自分の敬語が日本人のゾーンから遠く離れていたことを思い知らされましたよ、ったく。
いや、そんな私にこんなコラムを書かせる編集部もどうかと思いますけどね、まあそれはそれ。気を取り直して本題に。前回紹介した『ヴァニーユ』が『ザ・テラス』で一番空いているお店だとすれば、今回紹介するこの『シーマ』は、おそらく一番混んでいる店ですよ!まあセブアーノが新しい物好きだって言うのもあるんですけど。今までギリシャ料理、無かったですもんねえ、セブに。
でもみなさん、ギリシャ料理と聞いて、ピンと来ます?大概の方はあんまりイメージ湧かないんじゃないですかね?私もこの店で色々と試してみましたが、ギリシャの代表料理ともいえるムサカ(茄子と挽肉とマッシュポテトの上にベシャメルソースをかけて焼いたもの)はちょっとお薦めしません。なんか悪い意味で普通です。スブラギは串焼きにした肉と野菜にヨーグルトソースをかけてそれをピタパンでくるんで食べる料理なんですが、中東のケバブとかに似てますね。羊、鶏、シーフードなど数種類ありましたが、まあまあでしょうか。ただ、肉がものすげく硬いです。よーく細切れにしてから包みましょう。もう一つのラップ系の料理、ギロも、ちょっとビッグマックな方向を狙ったものの大きく行き過ぎた挙句に戻って来れなくなったような味ですし。なんにせよ、ここのピタパンはなぜか折り曲げると割れるくらい硬いし、中空じゃないし、あんまり包む用途に適していない気がします。フムス(ヒヨコマメのペースト)は個人的にはもう少しガーリックのパンチのきいた奴の方が好きなのですが、ギリシャ風だとこういう風にマイルドなのかもしれません。
今回編集部と一緒に行って頼んだのは、まずピキリアというギリシャ風ディップ5種類盛り合わせ。フムスもこの中に入っています。ヨーグルトっぽいのや、焼き茄子ちっくなもの、タラコの偽物のようなディップ(これはあんまりお薦めしません)などが大量のピタパンとともに出てきます。なんとなくギリシャ料理ってものを実感していただけるんじゃないですかね。あと、前菜ではガブロスっていう鰯の酢漬けみたいなものは毎回頼んでます。美味しいですよ。ウェイターはフレイミングチーズという、テーブルの横で火をつけて火柱を立ててくれるチーズの鉄板焼きみたいなものをしきりに薦めますが、パフォーマンスだけで味はまあ、どうでもいいレベルです。そのくせ高い。どうせ他の席の誰かが注文してくれるでしょうから、それを横目で眺めれば十分じゃないですかね。
ギリシャ料理ですがパスタもあります。ロカパスタというのは、ちょっと苦味のある葉野菜ルッコラ(英語ではアルギューラ)のパスタです。味付けはなかなか良かったのですが、いかんせんパスタがフォークで巻こうとするとプチプチ切れるくらいソフトだったのが悔やまれるところです。主菜のコトポウロ・レモナートはメニューに書いてある説明が『ギリシャ式チキンアドボ』だったのでついつい注文。お酢の代わりにレモン果汁を使ったアドボといえばいいんでしょうか、よく味が染みてて美味しかったです。
今回は頼みませんでしたが、サラダも美味しいです。ルッコラと胡桃とサンドライドトマトのサラダとか。ドレッシングがフィリピン人に合わせて甘め&多めなので、自分で調節したいからかけないでくれとウェイターにリクエストした方がいいでしょう。まあそのリクエストがきちんと通じるかどうかは神のみぞ知る、といったところですが。
あ、最後に一つ言い添えておきますと、各テーブルの上におかれたチリオイル、結構きてますよ。私はタバスコと同じ感覚で使って大変痛い目に遭いました。辛い物に自信のある方だけチャレンジする事をお薦めします。 @B級グルメ
2009年3-4月号 掲載